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『昔の、男』のその後のベルちゃんと西ロマの話。







+ + + + + + + + + +


「なんや、結局そういうことになったん?」
「あれ?あんま驚かへんのや、ベルちゃんも…」

休憩室に入ったら、ちょうど親分が缶コーヒー買うてたから、
つい便乗して、『うちのも買ったってv』と強請ったら快く1本奢ってくれたのだ。
おまけに爽やかな笑顔付き、なもんだから他の女子社員からは
結構羨ましがられたりもした、昔は。
けれど、うちは騙されなかった。

彼は空っぽな人だな、と思っていた。
笑顔浮かべているのに、全然笑っている気がしない。
感情をどこかにおいてきた、そんなカンジ。
そこが結構怖いところだった。
まぁ、女の子に対しては基本的に優しいから、勘違いする子も結構いたようだ。
でも、誰にも靡かなかった。

誰か特別な人がいるんだろうな、と思っていた。
でも、それは――――――相手に届かなかったのかも。
それでも、親分は、その人のことが好きなんやろうな、と思っていた。


ロヴィーノ君が入社してきてからの親分は、それまでと違っていた。
感情が表に出てきて、生き生きとしていた。
何があったのか、と思うほどそれはまるで、別人だった。

怒られたり、意地悪いこと言われて泣いてるロヴィーノ君を見ていると
ついつい手を伸ばして頭を撫でたりしていたら、
あまりにも怖い顔で睨んでくるものだから、分かってしまった。

ロヴィーノ君が、親分の想い人なのだ、と。

子供みたいな独占欲を剥き出しにして。
愛情表現まで、まるで子供のよう。
好きな子虐め、なんて。大人げない。
逆効果にしかならないではないか。

ほら、そんなだからロヴィーノ君が怯えてしまう。
親分もっと優しくしてあげればいいのに。
などと思っていたが、あの親分にして、この子ありだった。
あの親分の態度ではきっと数日後には辞めてしまうと思ったのに、
負けてたまるかと言わんばかりに彼なりに、頑張っていた。
口では愚痴を言いながら、彼に少しでも優しくされたり
褒められたりしたら、嬉しそうな顔をして報告にきたりして。

もう、可笑しくて笑うしかなかったわ。

「遅かれ早かれそうなる気はしとったし?」
「なんや、同じようなことこないだ悪友にも言われたなぁ・・・」
「残念やわぁ、うちがロヴィーノ君口説いて親分のライバル的な
立ち位置になったろと思っとったのにv」
「やめてぇや~、ロヴィ女の子大好きやねんから、
そんなんされたら本気にしてまうやん!」
「いややわ、冗談やのに~」

本気で焦る、困ったような顔をするので、笑ってしまった。

「…ま、それでも親分のとこに戻りそうな気はするけどなぁ…」

本当は好きで好きでしょうがないってそんな顔してたし。

「はは、せやな。…そういうふうに仕込んだしなぁ。」

不穏な発言に、固まってしまった。

「親分…いつからロヴィーノ君のこと、」
「ロヴィーノな、昔は『寄るな触るな近づくな』でな、懐かせるの結構苦労したんやで~
口であんなん言うくせにな、寂しがり屋さんでな…放っとかれへんかってん。」

可愛かったん。
今でもかわえぇけどな。
誰にもそういうとこ、知られたくなかった。
だから、独り占めしたってん。
にこにこ笑いながらそういう親分に、若干引きつつ苦笑した。

こんな人に惚れられて、ロヴィーノ君ちょっと可哀想かも。
…などと思っていたが。



後日。
親分の言ったことをロヴィーノ君に聞かせたら、
「ふぅん。」
と、言っただけで他には何も言わなかったのだ。
いいのだろうか。
そんな小さな頃からこれでは、他に目を向けようがないのでは?
親分、結構腹黒いなぁ。
などと言ってみたら。

「別に…アイツが傍にいてくれるなら、それでいい」

これである。

え、いいの?
そんなどうでもよさそうな顔してるけど、結構酷ない?
親分腹黒いどころじゃないと思うんだけど…。
しかし。これだけ素直に慕ってくれたら、そりゃ…親分じゃなくても
独り占めしたくなるというものである。

「ごちそうさま、やね」

苦笑しながら肩を竦ませた。

****

ドS親分に、親分に対してフィルターかけすぎて
あれなことに気がつかないロマーノさん。
或いは気がついていても、もう今更どうしようもない感じなロマーノさん…。
まぁ、二人が幸せならいっか、と思うベルちゃん。

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自己紹介:
西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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