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「だから、好きと言わない。」の続編のラストはこんなふうにしたい。

・突然始まります。
・走り書き
・いつもの駄文



+ + + + + + + + + +



何度も諦めようとした。
何度も他のヒトに目を向けようとした。

でも、それでも出来なくて。

「やっぱ、俺はお前のこと好きだって思う」

フラれたのにしつこいって思うだろうけど、それでも。
想うのだけは自由だろ。
それくらい、許してくれてもいいだろう。
瞳に張った涙の膜が決して零れないように目の前の男を見据えた。

アントーニョはぎゅっと眉を寄せて、こっちを睨む。
それが少し怖くて、でも逃げたくなかった。
暫く睨み合いが続き、やがて最初に動いたのはアントーニョだった。
チッと珍しく舌打ちなんぞして、『あーもー!!』とぐしゃぐしゃと頭を掻き、
その場に蹲ってしまった。

「おい、アントー…」
「なんなんもー!!ずっこいわ、ロヴィ…!」
「は?」

意味が分からず蹲るアントーニョに何だ?と腰を折ろうとすると
すっくと立ち上がったアントーニョが、こっちを不貞腐れたような顔で
ちらりと横目で見ながら言った。

「ずっと忘れられへんかったらえぇって思っとった」
「…?」
「俺んこと。もっと苦しんだらえぇって、もっと悩んだらえぇって。
そんで、泣いて縋ってきたらえぇわって思ってた」
「ドSか」
「ありがとう!」
「ほめてねーよ」

呆れて少しだけ笑うと耐えていた涙が頬を伝った。
アントーニョはそれを少しかさついた指先で拭ってくれた。

「ムカついたんよ。言うだけ言うて勝手に自分の中だけで
ケリつけてしまおうっていう態度のロヴィーノが。
無性に腹立たしかったわ。もっと早く言うてくれたら良かったのにって。
なんで一緒に居れんくなる今になって過去形で「好きだった」とか言うねん。
俺の気持ちなんかどうでもえぇんかい!ってほんま、えらい腹立って…」
「ごめん…」
「せやから、意地悪言うたった」

『そんなふうには見ていない』なんて、全くの嘘だ。
アントーニョは更に続けて言った。

「俺からは絶対好きとか言うたらへんって意地も張った。
けど、もう…ロヴィーノはほんま俺の思い通りにはならへん子やわ」
「当たり前だバカヤロー」
「相変わらず悪い口やし、可愛げないし、生意気やし。
でも、かわえぇし、好きやって思ってまう…完敗やわ」

絶対自分からは言わないつもりだったのに、と口を尖らせるアントーニョに
『ざまぁみやがれ』と涙の光る目尻はそのままに微笑むのだった。

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西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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