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こんな時だから自重した方がいいのかもしれません。
けれど、どうしても書きたかったので…。
日付ギリギリになってしまったけど!


ロマとイタちゃん誕生日おめでとうです!





伊兄弟誕なのに、おもくそ西ロマですいません。



・人名表記
・セボちゃんのみ国名
・ちょっとセボロマ有り
・時間なくてダイジェストっぽい
・いつも以上のガッカリ残念な駄文


以上ご注意の上、よろしければどうぞです。








あらすじ:ゲームと称して付き合うことになった西ロマの話。

+ + + + + + + + + +
始まりはくだらない口喧嘩だった。

いつものように休暇を利用してアントーニョの家にやってきて、
2人で他愛もない話をしながら夕食を食べて、酒を飲んでいた。
その時に適当につけていたテレビには、とある連続ドラマが放映されていた。
それを流し見ながら、ふとドラマの内容や俳優の話になった。

付き合っている女性がいながら、別の女性に心惹かれ、
ついにその男優が扮する男が、付き合っている女性と別れる場面になった。

「お前、アイツに似てんぞ」
「えー?俺がそれくらい男前やって?照れるわ~」
「ちげーよ。そっちじゃなくて、役柄の方だバーカ!」

放っておけないからって簡単に浮気しそうだよな。
お人良しなのも、優しいのも大概にしとけ。
と、茶化すように言って、それをアントーニョが否定した。

「いくら何でも簡単に浮気とかせぇへんわ。
大体、俺は結構一途やねんで!」

「嘘付け、お前絶対直ぐに浮気すんだろ。
昔ローデリヒと結婚してた時だって、馬鹿弟に結婚して~とか迫ってたし。
しかも俺とも一緒に幸せに~とか言ってたじゃねーか。」

「ちがっ…あれはやなぁ…!
あんなんただの冗談やんか!」

「はっどーだか。
認めろよ。お前は浮気性だって。」

「そっ…そんなん言うたらロヴィーノかて、可愛い女の子は皆好きなくせに!」

「あぁ、可愛い女の子は皆好きだ。当然だろ。
でも、それとこれとは別だろ。
俺は本当に好きなヤツには一途だ。」

(言うまでもなく、それはアントーニョであることは内緒である)

「そんなら俺かてちゃんと好きな子には一途やもん!」

「…とか言いつつ…。」

「ない!絶対ない!!!」

「無理すんなよ。認めろって。」

「ないったらない!もー…そないに疑うんやったらなぁ…
付き合うてみたら、えぇやろ。そしたら絶対浮気せぇへんって解かるわ!」

「へぇ。いいじゃねーか。どこまで耐えられるか、俺がこの目で確かめてやるぜ!」





……そして、何故か俺とアントーニョは付き合うことになったわけだ……。





喧嘩腰に始まった付き合いだったが、元より何百年と共に過ごしてきた間柄であり、
自分が独立した今でも、互いの家を行き来する関係の俺たちだから、
『恋人』になったからと言って、特別何かを変えることはなかった。
ただ、いつもよりスキンシップが多いだとか、
以前よりも更に頻繁に連絡を取り合うようになった、だとか。
そんな些細なこと。

それでも俺は嬉しかった。
何百年も不毛な片思いをしていた相手と、ただのゲームとは言え、
“恋人”になれたのだから。
ゲームだからと割り切ってしまえば、いつもより素直に甘えられるし、
永い間ずっと心の奥底に閉じ込めていた『好き』という気持ちが口に出せた。
行き場のなかった想いが漸く陽の光を浴び、輝きだしたのだ。

『好きだ』と言えば、答えてくれる。
そのことが、俺は泣きたくなるほど嬉しかった。
実際、アントーニョはちゃんと俺を“恋人”扱いしてくれた。

ひだまりのような笑顔に、
甘く響く優しい声と、
しっかりと強く抱きしめてくれる腕。

満ち足りていた。
この上ないほどの幸福感が胸を満たした。






けれど、それは全て、ゲームだからこその幻だったのだ。




優しい眼差しも、
耳を擽る甘い声も、
そして触れている熱も。

全ては虚像でしかないのだ。


それらは全て、己に向けられているものではない。





…そう気が付いてしまえば、もう駄目だった。



本当に好きなのは、自分だけ。
アントーニョはただ俺に、あの時の言葉を撤回させるためだけに、
自分と付き合おうと言っただけで、そんな気は毛頭ないのだ。

なんと言う残酷なゲームだろう。

何故こんな話に乗ってしまったのか、酷く後悔をした。

こんなこと、早く終わらせてしまいたい。
『もう分かった、俺の負けだ』
…そう言えば、終わりにできる。
けれど、素直に負けを認める、ということがどうしても出来なかった。

そこでふと考えたのだ。
「好きな人が出来たから」と、このゲームを降りる。
けれど、アントーニョは言葉だけでは信用しないだろう。
そこで、アントーニョがこちらに仕事で来ている時に、
仕事があると会うのを断っておいて、上司の秘書をしている女性に頼んで、
アントーニョの仕事場の近くを腕を組んで歩いて貰った。


「ロヴィーノ!」


案の定、アントーニョに見つかった俺は、
珍しく眉を吊り上げて怒っているアントーニョに、引き摺られるように
狭い路地に引っ張り込まれた。

「どういうことなん?お前、仕事やって言うたやん!せやのに……!」
「…あー、そういやお前にはそう言ってたんだっけ?」

わざと何でもないような口調で髪を掻き上げた。。
そんな俺に、アントーニョの瞳は更にきつくなった。

「…浮気、してたんや…?」
「浮気?…違うな。俺、あの子が好きなんだよ。本命ってやつ?
まぁ見ての通り、上手く行ったから。…もうゲームはやめようぜ。」
「ゲーム…?」
「ほら、お前が浮気性かどうか確かめるやつ。もういい加減、飽きたし?」

お前もそろそろ自由になりたいだろ?

思ってもいないことを口に出してしまう。
けれど、ここで終わりにするのが丁度いい気がした。

「…っほんなら、今までの…全部ゲームやったって、ゲームやから
俺と付き合っとったって…言いたいん?」
「―――――そうだけど?…なんだよ、お前がそう言ったんじゃ…」
「…っロヴィーノ!!」

がっと手首を掴まれて、壁に押さえつけられる。
が、俺はそれを乱暴に振り解いた。
(殴られるかと思った…)

「んだよ、うるっせぇな!!わかったわかった、俺の負けでいいから」

さも鬱陶しげに手を振る。
…何故そんなに怒っているのか分からない。
だってそもそもはお前が提案したんじゃねーのかよ。

アントーニョは拳を握り締め、ギリッと強く唇を噛んだ。
暫く俺を睨んでいたが、やがて溜息を一つ吐いた。

「―――――わかった。ほな、さいなら。」

凍てつくような冷たい瞳だった。
踵を返したアントーニョは、足早に去っていった。
俺は壁に力なく凭れかかり、ずるずると座り込んだ。
ぽろぽろと次から次へと流れる涙を、膝に顔を埋めて耐えた。

始まりも終わりも、なんてあっけないことか。



*



それから、数日後。
今日はイタリア統一記念日だ。
フェリシアーノと一緒に記念の式典に出席し、その後ホテルでパーティーが開かれた。
上司や著名人、他国の面々に挨拶をしたり、談笑したりするのはフェリシアーノに
押し付けて、一人で壁に凭れかかってその様子をただぼんやりと見ていた。
会場を見渡しても、アントーニョの姿はない。
やはり怒らせてしまったから、今回は来ないのだろうか。
そう思いながら、アントーニョの誕生日の日を思い返した。

俺は洒落た時計をアントーニョに贈った。
『嬉しい、ほんまおおきに!…なんや、つけるの勿体ないわぁ』
『ちゃんと使えよ。』
『うん。大事に使わせてもらうわ。せや、ロヴィーノは何か欲しいもんある?』
『欲しいもの?』
『ロヴィの誕生日も、俺がちゃんとお祝いしたるからな!』
『馬鹿弟と一緒に、だろ。』
『うん、でもロヴィーノはちゃんと別に考えておきたいし。なぁ、何がえぇ?』
『…別に何でもいい。けど…何でもいいのか?』
『ん、んー…あんま高いのはちょっと…。』
『モノじゃねーよ。それなら………―――――』


ふっと視界にシャンパングラスが映った。
顔をあげると、セボルガがにこりと微笑んだ。
差し出されたグラスを受け取ると、中身を煽った。

「浮かない顔して、どうかされました?」
「別に。つーか、お前まで来てたのかよ。」
「えぇ、まぁ。それより、いらっしゃいませんネ、アントーニョさん。」
「……そーだな。」
「あれ?探していらっしゃったんじゃないんですか~?」
「………」
「珍しいですネ!ケンカでもしたんですか?」
「うるせぇよ」

どっか行けとばかりに手で払うが、まったく聞くつもりはないようだ。

「まぁ僕には好都合ですけどネ!」
「はぁ…?―――――っ!」

何言ってんだ、と思い顔を背けると、見慣れた人物が会場に入ってくるのが見えた。
ドクリと心臓が鳴った。
こちらに真直ぐと歩いてくる。
どうしようか、と迷っているとアントーニョはいつもの緩い笑みを浮かべた。
そして…―――――。

「フェリちゃん、誕生日おめでとさーん!」
「わーアントーニョ兄ちゃんだ~!来てくれてありがとう!」

アントーニョは俺の目の前を横切り、
ムキムキや本田と談笑していたフェリシアーノに声をかけ、ハグを交わした。

「あれ?…行っちゃいましたね?」
「―――――うるせぇよ。」

俺のことなんか眼中にない、みたいだった。
心臓をぎゅっと握り潰されたような痛みに、顔を顰めた。
自業自得だ。
でも、俺には何でお前がそんなに怒っているのか、わかんねぇよ…。

「ロヴィーノさん、暇なら僕と一緒にこれからデートでもしませんか?」
「…寝言は寝て言うもんだぞ、このやろー。」
「寝言じゃないです、マジです!―――――ネ?デート、しませんか?」

手を取られて、軽く引かれるままに、歩きだす。
それはセボルガの誘いを受けたわけではなく、ただこの場にいるのが辛かったから。
けれど、その手を背後から誰かに掴まれた。

「―――――悪いけど、こいつに用があるから、借りてくで。」
「―――っな、いった!いてぇ!引っ張るな…くそっ!」

ぐっと強く腕を掴まれて引っ張られていく。
馬鹿力め!少しは加減をしろ!

「離せよ…!離せ…っ!」

喚いていると、アントーニョはエレベーターのボタンをバン!と
手のひらを叩きつけるように押した。
静かな廊下に響いたその音に、ビクッと体を震わせた。

「…静かにしとけや。」

イラついたように舌打ちまでされる。
怒ってる。それも、かなり。
アントーニョが怖いと思ったことなんて、今までなかったのに。
今は、酷く恐ろしい。
口を噤むと、やってきたエレベーターに乗って、アントーニョの部屋に連れ込まれた。




*



「さてと、ロヴィーノ、俺に言うことは?」
「……腕、痛かった。」
「ロヴィーノ。俺、怒ってるんやけど。」
「………こ、こないだのこと…なら、…その、悪かった…けど、」

何で、怒ってるんだよ。

「…わからんの?」

こくりと頷くと、アントーニョは溜息をついた。
なんだよ…わけわかんねー…。

「まぁえぇわ。ほら、俺に言うこと、あるやろ?」
「……ない。」
「ロヴィーノ。」
「ないったらない!」
「嘘吐き。」

嘘はあかんって昔も教えたんになぁ。

「付き合ってる子ぉも、おらんのやってな。さっきフェリちゃんに聞いたで。
―――――なんであんな嘘ついた?」
「そ、れは…」
「素直に言うてみ?そしたら、怒らんよ。」
「う、でもお前、今怒ってるんじゃねーか。」
「うん、まぁ怒っとるよ。けど、素直に言うたらご褒美あげるで。」

にっとここで今日初めてアントーニョが俺に向かって笑った。
その笑顔に、絆されそうになって、でも、と押しとめる。

だって、言ったらどうなる?
『ゲームじゃなくて、本当の恋人がいい』なんて、そんなこと、言えるわけない。

「ロヴィーノ、」
「……言ったら、お前俺のこと、…き、きらいに…」
「ならへんよ。大丈夫やから、言うてみ?」

ぽんぽんと頭を撫でられて、戦慄く唇が紡ぐ。


「ゲーム、とか…いやだ。俺、



―――――俺は、 本物が いい。



本当の、あ…アントーニョの恋人に、」






「―――――うん、えぇよ。」

よく言えました、とぎゅっと抱きしめられて瞳を数度瞬かせた。

「は?」
「ちゅーか、俺はホンマに付き合うてるつもりやってんけど?」
「は?はぁあ????!!!!」


そりゃ、あんな始まりやったけど。
というか、あん時ロヴィが言うまでゲームとかそんなん思ってなかったし。
俺がロヴィに言うたことも全部ほんまやで?
ロヴィーノも、そうやろ?

と、アントーニョから言われて頭が真っ白になった。
え?え?なんだ、つまり、え?




「というわけで、誤解もとけたことやし、これからは浮気は絶対なしなしやで!」
「…てか、してねーよちくしょう!」
「誕生日、おめでとうロヴィーノ。」
「……うん。」

ちゅっとアントーニョからキスをされて、優しくベッドに倒される。
俺はアントーニョの口付けを受けながら、瞳を閉じた。




これからは、ホンモノの恋人で。




END


+++++++++++++++

すれ違い西ロマ。
伊兄弟誕なのに、西ロマでイタちゃん少し…とか。
KYにもほどがあります。恐れ入りますすみません。

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西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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