…の、ネタを書いてから拍手が増えたような気がしたので
(あ、ぽちぽちしてくれた方々、有難うございます!)
これは続きを書いてもいいのよ。という無言の後押しだな!
と、勝手に解釈した結果です。
えぇまぁ、単に自分が書きたかっただけです。
自己満足ですが、なにか?
というわけで。
・西ロマ現代パロ
・親分バツイチ子持ち
・親分の子供=ちび分
・ちび分の名前は好きに脳内変換してください
・すーじくがロマに甘いという自分勝手な妄想設定
・残念ガッカリな走り書きクオリティ。
などなど、あらゆるものにご注意の上で、
何があっても笑って許せる方のみ、続きからどうぞー。
結局あの後泣きながら眠ったので、目が腫れていた。
出勤したらあの心配性な弟は何があったのか、とか聞いてきそうだ。
憂鬱な気持ちで身支度をして朝食を食べてから部屋を出ると、
スーツ姿のアントーニョと出くわした。
「「あ…」」
(うわ、タイミング計り損ねた…!)
「あ、となりのにいちゃん!おはようさーん!」
ぴょこんと顔を出した小さな子供はにこにこと挨拶をしてきた。
笑った顔もやっぱりアントーニョに似ている。
「…はよ」
小さく挨拶をしてその横をすり抜ける。
朝っぱらから会ってしまうとは、ついてねえ。
出来るだけ距離を置こうと足を速める。
本当は走って逃げたいくらいなのだが、やめておいた。
出来るだけ、平常心で…――――――。
「にいちゃん、足はやいわぁ」
「うわっな、なんだこのやろー!?」
歩く俺のスピードに合わせて小走りについてくる小さな子供は、
にこにこと無邪気な笑顔で話しかけてくる。
「なぁなぁ、にいちゃんなまえなんていうんー?おれはなーちび分やでぇ」
「ついてくんなよ!親はどーした!?」
「ん?よーちえんこっちやもん」
そういえば、確かに通り道にあったな、幼稚園。って、そうじゃねぇ!
「にいちゃん、なまえおしえてー」
「んなもん聞いてどーすんだよ。つーか、うぜぇ」
「あんなぁ、ひげのおっちゃんが『かわいい子にはとりあえず名前聞いて口説け』いうてたから!」
それはナンパの仕方だ。
髭のおっちゃんって、もしかしてフランシスのことか?
あの髭、ほんとろくでもねーことしか教えねーな…。
などと思っていると、後から追いかけてきたアントーニョがちび分の首根っこを捕まえた。
「こら、ちび!勝手に先さき行かんの!!……あー、えと…ロヴィーノ、ごめんなぁ」
「…いや、」
「ロヴィーノ?にいちゃん、ロヴィーノっていうん?」
「あぁ、せやで。分かったら大人しく…」
「ロヴィーノにいちゃんは今からどこ行くん?遊びに行くんやったらおれもつれてってー」
アントーニョの手からいつの間にか逃れたちび分は、
俺のズボンを小さな手できゅっと掴んだ。
慌ててアントーニョが再びちび分を抱き上げた。
「こらお前!言うた傍から何してんねん、もう!」
「せやかて、こんなべっぴんさんはくどかなそんやとおもうねん!」
「おーまーえーはー!……はぁ、おとうちゃんは、お前の将来が心配やで…」
親子二人のやり取りに思わず口元が綻ぶ。
抱き上げられた子供の額をツンと突いた。
「ばーか。仕事だよ、仕事!」
仕事っていうか、バイトだけどな。
アントーニョのようにスーツを着ていないから
遊びに行くとでも思ったのだろうが、生憎今日は休みではない。
幾分か表情の和らいだロヴィーノを見て、ちび分は瞳をキラキラと輝かせた。
「わ……わろた!にいちゃんがわろた!かわえぇ!」
「っあ、こら、暴れんの!」
しきりに『可愛い』を連呼するのは、アントーニョに似てしまったせいなのか。
仮にも一応成人した男に、しかも幼児にそんなふうに言われるのは心外である。
『格好いいと言え、格好いいと』と返して、ふと気付く。
何だか成り行きで一緒に歩いていることに気付いて、まずいと思う。
ちらと視線をアントーニョに送ると、今は子供相手に精一杯という感じで
迷惑がっている様子はないが……気まずい、よなぁ。
馬鹿みたいに、『好き』だなんて告げられた相手が隣に住んでる、なんてのは。
いい気はしないよなぁ。
結婚しているんだから、どうこうなるはずもないとはいえ…。
子供に近づかれるのも、本当は嫌かもしれない。
やっぱ…近いうちに別の部屋を探そう。
今の部屋、結構気に入ってたんだけどな…仕方ねーか…。
「あの、ロヴィーノ?」
遠慮がちにかけられた声に驚き、大げさに肩が揺れた。
「っぁ…な、な、なんだよちくしょー」
「え、いやあの…仕事って今何してるんかなぁって…」
「…あ、あぁ…別に、ただのバイトだ。馬鹿弟のやってる店の」
弟はデザイナーで、服飾ブランドを立ち上げて、小さな店だが
自分のブランドショップを駅の近くにオープンさせている。
そこの販売員として、バイトをしているのだ。
…もちろん、最初は弟の下で働くことに抵抗を感じていた。
元々は大学を出てからちゃんとした就職をしたのだが、ある理由でやめてしまった。
そんな時に弟から『手伝ってほしい』って頼まれたから、まぁいいかって。
幸い弟のやっている店は弟の学生時代の友人である本田やルートヴィッヒなど
顔見知りばかりだったから、直ぐに馴染むことが出来た。
業務内容も特に変わったこともない。
ただ、販売員として客の相手をしていればいい。
その客も若い女性が多いからまぁ、それなりに楽しんでいる。
多分、弟は気を使っているのだろうことは明白だったが、
新ためて就職先を探す、ということに抵抗を感じてしまっている今は、
それに甘えさせてもらっている、というのが現状だ。
「フェリちゃんの?何の店?」
「え、お前知らないのか?」
頷くアントーニョに、首を傾げた。
てっきりフェリシアーノとはそれなりに連絡をとっているとばかり思っていた。
だって、アントーニョが結婚したことを伝えてきたのは、弟だったはずだから。
じゃあ弟は何で知っていたんだろう。と、考える…までもない。
ルートヴィッヒの兄であるギルベルトはアントーニョの友人だし、
フランシスとは今でも弟はそれなりに交流がある。
…でも、共通の友人もいるはずなのに、何故アントーニョは弟が何をしているのか
知らないのか。まさか二人揃って内緒にしているわけでないだろうに。
第一内緒にしておく理由がないではないか。
「駅の近くの“ベラドンナ”っていう若い女性向けのブランドショップだ。
オーダーメイドで紳士もののスーツも扱ってるけどな。」
「そうなんや。全然知らんかったわ。近くなんになぁ…」
まぁ大抵女性向けだからな。男は関心ないかもしれないが。
肩にかけていた鞄から新作が載っているパンフレットを取り出した。
「お前は興味ねーだろうが、奥さんにでも渡せ。
弟にしてはセンスのいいもんばっかだから」
丁度幼稚園の近くまできたからじゃあな、と不自然さもなく会話を切って別れる。
明日からはもう少し遅く出よう。
そうしたら、顔も合わせないで済むだろう。
幼稚園から大分離れてから、ほっと息をついた。
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ブランドの名前が思い浮かばなかった…。
誰かセンスをください、マジで。
続くか続かないかは、気分次第。←