拍手ぱちぱち有難うございます!
続き書いていいのよ、と勘違い(ry …調子に乗ったまま続けてます。
…というかサイトの方に纏めようと思います。
一応一旦区切りがついたので。
・西ロマ現代パロ
・親分バツイチ子持ち
・すーじくがロマに甘いという自分勝手な妄想設定
・残念ガッカリな走り書きクオリティ。
などなど、書いてる人だけがひとり楽しいままに書いてるので
大丈夫だ、問題ない。と、笑って許せる方のみ、続きからどうぞー。
なんだかんだと引き止められて、ちび分が寝入ってしまうと、
アントーニョはちび分を奥の寝室に連れて行き、寝かしてくると
『じゃあそろそろ帰る』という俺を、またしてもアントーニョに引き止められた。
「一本どや?」
飲めるか?と缶ビールを一本手渡してくる。
『まぁもう少しだけなら…』と仕方なく立ち上がりかけたのを座りなおした。
いいのか、本当に。ずるずると長居してしまっているが、
アントーニョはいいんだろうか。嫌じゃないのか?
実は内心早く帰れとか思ってんのかもしれない。
なら、断るべきなのか。
いや、引き止めるようなことをしているのはアントーニョの方だ。
俺は別に好きで居座っているわけじゃないんだ、と何故か内心で言い訳をして
プシュッとビールの蓋を開けた。
「乾杯!」
カン、と缶を合わせて、アントーニョはぐいぐい飲んで『ぷはぁ』と缶をテーブルに置いた。
「親父かよ」
「ロヴィも遠慮せんと飲みや~?」
手元の缶を見て、ゆっくりと口をつけた。
思っていたよりも喉が渇いていたのか、ごくごくと勢い良く飲み、
一気に半分くらいに中身が減ってしまった。
「ロマも結構飲めるんやね。」
「…うるせぇよ」
「なんか、不思議やわー。ロヴィーノとこうやって酒飲める日が来るとは思わんかった」
俺のぐっと強張った身体に気付きもせずにアントーニョは再びビールを煽った。
「俺、ロヴィに嫌われとると思ってたし」
「はぁ?」
「折角久しぶりに会うたのになんや素っ気無いし~寂しかったわぁ」
…何、言ってんだこの野郎は。
缶を握る手に力が入った。
苛立ちを隠しもせずに叫んだ。
「そりゃお前の方だろーが!!」
「え?」
「目合わせようとしねーし、なんか余所余所しいし!そんっなに俺のことが嫌いなのかよ!?
お前がそういう態度だったから、必要以上に接触しないようにしたんだろーが!!
…なのに、っ…」
じわっと滲んだ涙を慌てて俯いて隠した。
素っ気無いのが寂しかったのは、俺の方だろ。
なのに、お前がそれを言うのかよ。
ふざけやがって…畜生!
「え、と…ごめんな、」
「うるっせぇ畜生!俺、帰る!」
缶をテーブルに乱暴に置いてソファから立ち上がった俺の手を、アントーニョは咄嗟に掴んだ。
振り払おうとするけど、ぐっと強く掴まれて、出来なかった。
「は、なせっ!」
「ごめんって!…せやって、ロヴィがべっ…いや、格好良くなってて、
俺の知っとるロヴィーノやないみたいで、ビックリして…戸惑ってもうたんやもん」
その言葉にピタリと動きを止めた。
(格好いい?)
視線を合わせると、へらっと笑う頬はほんのりと赤くて、
ちょっと可愛いな、と思ってしまった。
(格好いい…まぁ知ってるけどな!!)
すとんと座りなおすと、アントーニョは手を離した。
「俺が最後に会うた時は背とかまだこんくらいで、
怒ったら頬っぺたトマトみたいにして…ぶふっあかん、かわえかったわ~」
「いくつの時の話してんだよ!!大体最後に会った時高1だぞ!?
んなちっちぇーわけねーだろーが!!」
アントーニョが自分の胸辺りを手で示して思い出し笑いなんかするので
べしっと頭を叩いてツッコんでおく。
大体何で2つしか年の違わない男に子ども扱いされなければいけないんだ。
…まぁ、アントーニョにとって俺は弟分でしかないってことなんだろう。
アントーニョにとっての『対象外』であることは、あの時身をもって知った。
なのに、どうしてまだ胸が痛むんだろう。
「ロヴィはあれからどないしてたん?大学どこ?」
「…N大」
「N大かぁ、家から近いとこやな。そんで、フェリちゃんとこでバイト?
ロヴィ、兄ちゃんやのにフェリちゃんに雇ってもろてるとか……
相変わらず、ロヴィーノはフェリちゃんにベッタリなんやなぁ…」
「オイコラ。逆だ、逆!アイツが俺に引っ付いてくんだよ!」
「またまた~。ほんっま、ロヴィはフェリちゃん大好きやねんから~」
「好きじゃねーよ、畜生!大体、俺だってちゃんと就職してたんだよ!」
「えー、嘘やろ?」
「嘘じゃねーよ!!」
疑うアントーニョの目を睨み、反論する。
「大学出て、S州に移ったんだ。会社がP市だったから。…半年で辞めて
こっちに戻ってきたのは、一年前くらいだけど」
「え、ほんまに?」
「本当だ。そんなに疑うなら弟にでも聞けよ」
ふんとテーブルに置いたビールを煽った。
そんなに疑うほど、どうしようもねー野郎だと思われていたなんて、心外だ。
「せやったら、なんで辞めてもうたん?」
ギクリと身体が強張った。
じわじわと黒いなにかに呑まれそうになって、
…『辞めた理由』の原因を思い出しそうになって、
無理矢理“それ”を押し込むと、声を絞り出した。
「………上司が気に食わなかったんだよ」
「そんな理由で?ほんま…ロヴィーノらしいっちゅーか、なんちゅーか…」
「うるっせぇな!俺のことよりお前はどうなんだよ。バツイチのくせに」
そういうと、アントーニョの表情がぐっと強張った。
触れてはいけないことだったのだろうか。
しかしそれならお互い様だ。
「…どうせ、お前が空気読まなかったとか、鈍感すぎて相手の人
怒らせたとか、そんなんだろ?」
「そんなんとちゃう。ただ、相手が浮気して…他所に男つくって
ソイツと一緒になりたいから離婚せぇって言うてきたんや。
…ほんま勝手な女やで。」
アントーニョは苛立たしげにビールを煽って空になった缶を握りつぶした。
俺はそれにかける言葉もなくて、黙って聞いていた。
「ロクにちびの世話もせんと遊んでばっかりやったし、正直清々したわ。
振り回すだけ振り回して、次の獲物みつけたらぽい、か。ほんま、よぉやるで」
アントーニョはそう吐き捨てた。
暗い顔で恨み言をいうアントーニョなんて、始めて見た。
俺の知っているアントーニョはいつでも明るくて、悩みなんてなさそうだったのに。
・・・ま、大人になったってことなんだろうけど。
アントーニョは、その人のことを好き…だったんだろう。
じゃなきゃ結婚なんてしない、よな。
浮気されて余程悲しかったんだろう。
辛かった、だろうな…。そんなふうに思って、
思わずアントーニョの頭を撫でてしまった。
久しぶりに触れた髪は、柔らかくふわふわとしていて気持ちが良かった。
え、と驚いた顔したアントーニョに気付いて、手を引っ込めた。
けれど、アントーニョはこてんと肩に頭を預けてきた。
「さっきの、もう一回やって」
「…仕方ねーな」
そうっと触れるとアントーニョは嬉しそうに笑った。
*
すっかり深夜になってしまった頃、部屋を出る前に、アントーニョが言った。
離れてる間、お互いいろいろあったけど、
出来ればまた仲良くして欲しい。
それに俺は頷いてしまった。
それはつまりまた『幼馴染』として、今は『お隣さん』として。
良き友人でいようということなのに。
それでもいいから、嫌われていないなら傍に居たいなんて。
俺は本当に学習しない馬鹿野郎みたいだ。
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親分本当は「別嬪さん」って言いたかったけど、寸ででやめた。
ロマーノさんは美人さんだと花景は勝手に思っている。
