忍者ブログ

* admin *  * write *  * res *
[343]  [341]  [340]  [338]  [339]  [337]  [336]  [335]  [334]  [333]  [332
<<05 * 06/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  *  07>>
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

〆切まで一週間だと…!?
ははは、何かの冗談だろう?そんな……えっ、マジで…!?
えっ…まだ四分の一しか出来てな…え?え?

〆切爆発してくださry




+ + + + + + + + + +

ロマーノはスペインの家の前で重々しく溜息をついた。
今日から三日、久しぶりに連日の休みを貰ったロマーノは
少しだけ逡巡したのち、スペインにメールを送った。
もしもスペインが忙しいというのであれば、別に構わない。
その日でなければいけないということはない用だからだ。
…――――――ロマーノは次に会ったらちゃんとスペインに気持ちを伝えようと思っていた。
そうしてスペインがどのように思うかはもう考えないようにして
(なんとかなるぞと自棄になっているともいう)
もしも今のままの関係でいられなくても、それは仕方ないことと受け止めようと思った。
漸く決意し、行動に移そうとしたのだが、それでも臆病なロマーノはどこかで
最後の審判が下るのを先延ばしにしたい気持ちもあった。
しかし楽しみに待ってるなんて返信が着たことで、逃げることは出来ないと落胆したのだが、
ここまで来たら腹を括れ、イタリア・ロマーノ!と自身に喝を入れここまでやってきたのだ。
スペインの家の玄関の扉の前でごくりと生唾を飲み込んだ。
すうと深呼吸をしてから呼び鈴のボタンを押そうと指を伸ばしたところで
急に扉が開いて『ヴォア!?』と変な声を上げてしまった。
中から顔を出したのは当然スペインで、彼はロマーノを見るなり
破顔してがばりとその力強い腕でロマーノを抱きしめてきた。
「ロマーノー!あぁ、ほんまにロマーノやぁ!久しぶりやなー!」
良く来たなーとまるで親戚の親父かなにかのようにハグしてくるスペインに肩を落とした。
久しぶりというが、前に会議で会ったのはひと月前ではなかっただろうか。
「だぁっ離せ!うぜぇえええ!」
「はは、あぁせや。こんなところで立ち話もなんやし、中入ろか」
言いながらスペインはロマーノの手荷物をさり気無く奪うと、腰を抱いて家の中へと通した。
あくまでさり気無いその仕草、更に腰に回されている腕に文句を言うこともなく
ロマーノは促されるままリビングのソファに座った。
「今コーヒー淹れるわ、待っといて」
キッチンに入っていくスペインの後姿を見送り、ロマーノはふと溜息をついた。
落ち着け、俺。焦る必要なんかないんだ。じっくり機を窺って、
そんな雰囲気に持ち込めばなんとかなるはず。ナンパ百戦錬磨の俺だぜ?
雰囲気作りくらいお手の物だろう!
(この際振られてばっかりだろうというツッコミは無視しよう)
「お待たせーチュロスも持ってきたでー?食うやろ?」
「お、おぅ…」
テーブルにコーヒーの入ったカップを二つとチュロスの乗った皿を置いたスペインは
俺の隣に腰を下ろした。コーヒーを飲みながらチュロスを齧って最近のこととか
トマトのこととか他愛もない話を交わしていて、ふと気付く。
何故か、いつもより距離が近い気がしたのだ。
昔は膝によく乗っていたけど、それでも大きくなってからはこの距離感はちょっと
近すぎる気がする。
腕とか足は触れ合っているし、時々スペインの吐息が耳を掠めるので
意識した途端に妙な気恥ずかしさと居心地の悪さを感じ、さり気無く距離を置こうと試みる。
組んでいた足を組み直してみたり、そっと位置をずらして座り直してみたり。
その間もスペインは楽しげにいろんなことを話していたが、
最早そんな話は右から左に抜けていた。
スペインはスキンシップの激しい男だと昔から知ってはいるが、
今まで気付かなかっただけなのだろうか。いや、ここまでじゃなかったはず。
一定の距離感を保とうとするロマーノに、スペインは空気を読むわけもなく、
空けた間の分だけ近づいてきた。
(あーもー!くっそ…どうしたらいいんだよちくしょー!)
ちょっとどうしたらいいのか分からなくて途方に暮れ始めた。
「ロマーノ…ここ、砂糖ついてんで」
「えっ?」
口の端を指すスペインに慌てて拭おうとするが、その前にスペインの無骨な指が
唇を掠めるとかっと頬に熱が集まった。
スペインは指先で拭ったそれを舐め取り、優しげな笑みを浮かべた。
「ん、甘いなぁ」
「…そっそんくらい自分で取れるっつの!余計な世話焼くなドハゲ!」
「せやんなぁ、ごめんなー?」
つい、なぁ。というスペインに『つい』だと?と眉を寄せた。
もう子供じゃねーってのに、スペインにとってはやっぱり俺は子分でしかねーのか…。
そう思ってツキリと痛む胸に俯いてぎゅっと目を閉じた。
そんな相手に告白しようなんて無謀だったのだろうか。
…そうだな。やっぱりやめよう。早くも逃げ始めた俺の肩にスペインは腕を回してきた。
「なっなに…」
「な、それより見たって、これ!近所のにゃんこなんやけどなー」
取り出した携帯を操作して猫の画像を呼び出したスペインはそれを俺に見せてきた。
かわえぇやろ?なんて笑うスペインに、そうだなとぎこちなく頷いたものの、
肩の手が気になって仕方がない。
先程よりも更に密着した状態にもう本気でどうしたらいいのか分からなくなって、
身じろぐけれど、スペインは気にした風もなく、
いやむしろ慌てる俺を愉しんでいるのではないかとさえ思うほどににこにこと楽しげで、
そんな様子に怒りが湧いた。
「――――――スペイン!お前な…っ」
さっきから一体何なんだ、と言おうとキッと強く睨むが、思いがけずにそこに
酷く真剣な面持ちでロマーノを見つめる瞳とぶつかり、
次の言葉が出てこなくなってしまった。
綺麗なみどりの瞳。吸い込まれそうなその色に見入ってしまっていると
顔を近づけられて…――――――。
うっかり触れ合いそうな唇に、驚き声を上げようとした瞬間、
ふとスペインは口の端を上げて笑い、ロマーノの肩から手を外すと立ち上がった。
「そろそろ夕飯の支度するわ。ロマの好きなもんぎょうさん作ったるからなー?」
にっこりと笑ってそのまま再びキッチンに向かうスペインの後姿にがっくりと項垂れた。
(ビビッた…つーか、なんだアイツ!?)
もしかして自分の気持ちはとっくにバレていてそれでからかってきているのだろうか。
だとしたら物凄く腹の立つ野郎だ。一発ぶん殴るぐらいじゃすまない。
「くそっ今に見てやがれこん畜生めが!」
暢気な鼻歌の聞こえてくるキッチンに忌々しいと呟くとロマーノは
ソファでふて寝をすることにした。
------------------------------------------------------------------------
本気で時間がない
もし当日新刊なかったらごめんなさい…;;




拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

管理人のみ閲覧可能にする    
ブログ内検索
カウンター
プロフィール
HN:
花景
性別:
女性
自己紹介:
西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
バーコード
アクセス解析
powered by NINJA TOOLS // appeal: 忍者ブログ / [PR]

template by ゆきぱんだ  //  Copyright: 風の吹くままに All Rights Reserved