トマポリよりこっちをポチポチしてくださる方が多かったので…
いや、あれですね?皆さんも歌姫設定好きなんです?ね?
それか私があまりにも『歌姫』「歌姫」うるさいから
どーせお前こっち書きたいんだろwwwwって見抜かれたのか…
どちらにせよ拍手ポチポチしてくださった方々有難うございます!
時間ないけどこっち頑張って書きます!
+ + + + + + + + + +
男が立ち去るのを見届けてからロヴィーノは眉間に皺を寄せ、
ペリドットの瞳の男の手を振り払い、身を捩じらせて腕から抜け出した。
そしてきょとんとした男を下から睨み上げた。
「助けてくれなんて頼んでねーからな」
だから礼なんて言わないぞという意味でそういうと男はへらりと笑った。
「うん、ごめんなぁ。あ、俺アントーニョ言うねん。キミはさっきの舞台に出とった
赤の歌姫……“ロヴィーナ”やろ?さっきの舞台もめっちゃ良かったわー!
俺な、『歌姫姉妹』の舞台好きやねん。こんなとこで会えると思わへんから
つい声かけてもーた。ごめんなー?でも嬉しいわ」
ペラペラと勝手に喋りながらにこにこ笑ってるアントーニョという男を
無視して背を向けて歩き出すが、アントーニョっはその後ろを追ってきた。
「この間のバルセロナでの公演も見に行ったし、イタリアのローマ、ナポリ、
ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィア、あとこの前はフランスのパリ公演も
仕事のついでに見に行ったし、ほんまめっちゃ好きで、二人のファンやねん」
まぁ、そんなにたくさん見に来てくれていたの?ありがとう、嬉しい!
…なんて言うとでも思うのか?馬鹿じゃねーの。
馬鹿弟ならそういうかもしれねぇけど、良かっただの、好きだの言われても
俺は全く嬉しくない。
(俺は好きで歌っているわけじゃない)
それに…どんなに好きと言われてもそれは舞台での“ロヴィーナ”であって
俺自身を好きなわけじゃない。
そもそも、本当の俺は…――――――あんな綺麗なモノじゃない。
(つーか、コイツいつまでついてくる気だ!?)
先程からデッキをぐるぐる歩き回っているが、全く立ち去る気もないようで
聞いてもないことをペラペラと喋り続けている。
普通これだけ綺麗に無視されたら怒るか、立ち去りそうなものだろう。
だというのにこの男は全く堪えてないし、気にもしてないようだ。
正真正銘の馬鹿か…鈍感なのか、ただのKYか…ほんとなんだコイツ。
こんな男に一瞬でもドキリとした自分が阿呆らしい。
なのに…あの瞳が気になって仕方ない。
(なんでこんな男に…!クッソ…なんかムカツク!)
「めっちゃえぇ舞台やったし、二人の歌声聴いたら幸せになれるってほんまやな!
俺、今めっちゃえぇ気分やもん」
アントーニョのその言葉に立ち止まって、くるりと振り返って口の端を上げた。
「ハッ!お前も本気で歌聴いただけで幸せになれるなんて信じてんのかよ。
あんなのただの噂だ。…それがうちの劇団の宣伝文句なんだよ」
その噂もでっち上げられた嘘なのに、
人々は面白いように騙されて、勝手に熱を上げて、金を積み上げる。
本当に馬鹿だ。自分達が天使の歌声と称えるそれの片方は
“天使”にも程遠いものだというのに。
アントーニョから真っ暗な夜の海へと視線を逸らした。
今宵は新月。星空の明かりだけではこの蒼い海を照らせないようだ。
潮風に乱れる髪を押さえながら、思う。
今、俺がこの船から飛び降りても俺はあの子のように
受け入れられることはないだろう。
「…そうかもしれんけど、でも俺は赤の歌姫の歌声、好きやで」
「!」
思わずアントーニョに向き直ると、あのペリドットの瞳が優しく微笑んだ。
息を呑む俺にアントーニョは手を伸ばしてロヴィーノの額に張り付いた髪を
そっと耳にかけた。
「風邪引くからそろそろ中に入ろ?お腹も空いたしなー…せや、一緒にご飯食べにいこ!」
そうしよう、さぁ行こう!とぐっと肩を抱かれ強引に歩き出すアントーニョに
流石に抵抗した。
「おい!誰も行くなんて言ってねーぞ!」
「五階にある展望レストラン、俺と一緒やったら入れるで?」
(なっなんだと…!?)
スイートルーム以上の上客だけしか利用できないあの五つ星レストラン…!
食通のセレブたちをも唸らせる極上の料理が味わえると噂の…!
「し、…しょうがねーな!どーしてもつーなら付き合ってやらねぇでもねーぞ!」
「ほんまー?ほな行こか!」
ペリドットの瞳の男の手を振り払い、身を捩じらせて腕から抜け出した。
そしてきょとんとした男を下から睨み上げた。
「助けてくれなんて頼んでねーからな」
だから礼なんて言わないぞという意味でそういうと男はへらりと笑った。
「うん、ごめんなぁ。あ、俺アントーニョ言うねん。キミはさっきの舞台に出とった
赤の歌姫……“ロヴィーナ”やろ?さっきの舞台もめっちゃ良かったわー!
俺な、『歌姫姉妹』の舞台好きやねん。こんなとこで会えると思わへんから
つい声かけてもーた。ごめんなー?でも嬉しいわ」
ペラペラと勝手に喋りながらにこにこ笑ってるアントーニョという男を
無視して背を向けて歩き出すが、アントーニョっはその後ろを追ってきた。
「この間のバルセロナでの公演も見に行ったし、イタリアのローマ、ナポリ、
ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィア、あとこの前はフランスのパリ公演も
仕事のついでに見に行ったし、ほんまめっちゃ好きで、二人のファンやねん」
まぁ、そんなにたくさん見に来てくれていたの?ありがとう、嬉しい!
…なんて言うとでも思うのか?馬鹿じゃねーの。
馬鹿弟ならそういうかもしれねぇけど、良かっただの、好きだの言われても
俺は全く嬉しくない。
(俺は好きで歌っているわけじゃない)
それに…どんなに好きと言われてもそれは舞台での“ロヴィーナ”であって
俺自身を好きなわけじゃない。
そもそも、本当の俺は…――――――あんな綺麗なモノじゃない。
(つーか、コイツいつまでついてくる気だ!?)
先程からデッキをぐるぐる歩き回っているが、全く立ち去る気もないようで
聞いてもないことをペラペラと喋り続けている。
普通これだけ綺麗に無視されたら怒るか、立ち去りそうなものだろう。
だというのにこの男は全く堪えてないし、気にもしてないようだ。
正真正銘の馬鹿か…鈍感なのか、ただのKYか…ほんとなんだコイツ。
こんな男に一瞬でもドキリとした自分が阿呆らしい。
なのに…あの瞳が気になって仕方ない。
(なんでこんな男に…!クッソ…なんかムカツク!)
「めっちゃえぇ舞台やったし、二人の歌声聴いたら幸せになれるってほんまやな!
俺、今めっちゃえぇ気分やもん」
アントーニョのその言葉に立ち止まって、くるりと振り返って口の端を上げた。
「ハッ!お前も本気で歌聴いただけで幸せになれるなんて信じてんのかよ。
あんなのただの噂だ。…それがうちの劇団の宣伝文句なんだよ」
その噂もでっち上げられた嘘なのに、
人々は面白いように騙されて、勝手に熱を上げて、金を積み上げる。
本当に馬鹿だ。自分達が天使の歌声と称えるそれの片方は
“天使”にも程遠いものだというのに。
アントーニョから真っ暗な夜の海へと視線を逸らした。
今宵は新月。星空の明かりだけではこの蒼い海を照らせないようだ。
潮風に乱れる髪を押さえながら、思う。
今、俺がこの船から飛び降りても俺はあの子のように
受け入れられることはないだろう。
「…そうかもしれんけど、でも俺は赤の歌姫の歌声、好きやで」
「!」
思わずアントーニョに向き直ると、あのペリドットの瞳が優しく微笑んだ。
息を呑む俺にアントーニョは手を伸ばしてロヴィーノの額に張り付いた髪を
そっと耳にかけた。
「風邪引くからそろそろ中に入ろ?お腹も空いたしなー…せや、一緒にご飯食べにいこ!」
そうしよう、さぁ行こう!とぐっと肩を抱かれ強引に歩き出すアントーニョに
流石に抵抗した。
「おい!誰も行くなんて言ってねーぞ!」
「五階にある展望レストラン、俺と一緒やったら入れるで?」
(なっなんだと…!?)
スイートルーム以上の上客だけしか利用できないあの五つ星レストラン…!
食通のセレブたちをも唸らせる極上の料理が味わえると噂の…!
「し、…しょうがねーな!どーしてもつーなら付き合ってやらねぇでもねーぞ!」
「ほんまー?ほな行こか!」
自分の食欲には忠実なロヴィーノだった。
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