まだ半分も書けてない(オイ)ので自分のケツ叩くために
出来てる部分の冒頭のみ置いておきます。
メインの本編R18部分はまだ全然なのにこっちは出来ているという不思議。
本編その後のイタちゃん視点の話。
「夫婦喧嘩は犬も食わない、バカップルにつける薬はない」
仮タイトルですけど、もうこのままいくかも(笑)
・西ロマ←伊
・女装
・兎に角なんでも許せる人向け
大丈夫だという勇者様のみどうぞ
紆余曲折を経てたったひとりの家族であるロヴィーノとアントーニョが結婚し、
それから一年経った。
今日の夜、カリエド邸で夜会が催されることになり、
招待を受けたフェリシアーノは少し早いが昼前にカリエドの屋敷にやってきた。
時間より早く来たのはロヴィーノに少しでも早く会いたかったからである。
門を潜り、少し長い玄関までの道のりをのんびり歩いて
辿り着いた屋敷はとても大きい。
再建前のものよりも規模は小さいと聞いたが
それでもどこかの国のお城のような雰囲気の邸宅になっている。
玄関の前にある噴水の前でぼんやりと見上げていたら門番から連絡を受けたのか
顔見知りのメイドさんが玄関を開けて出迎えてくれた。
手に持った荷物を受け取ろうとするメイドさんをやんわりと制して
とりあえず兄ちゃんのところへ案内してもらうことにした。
(女の子に荷物持ちなんてさせられないよねー)
「今はアントーニョ様とダンスの稽古をしていると思いますよ」
「ダンス?…あぁ、今日はそういうパーティーだったね~」
兄ちゃんダンスなんて踊ったことないから今猛特訓中って言ってたっけ。
招待状と一緒に同封されていた手紙にそんなことが書いてあったなと思い出した。
大理石の床に敷かれたレッドカーペットの上を歩き、
兄が居るという部屋の前に辿り着いた。
案内してくれたメイドに礼を言って、ドアを開けた。
「ちぎー!もう疲れたぞこのやろー!」
「なんや、もうバテたん?しゃーないなー」
「もうってかれこれ二時間はぶっ通しで踊ってんぞ畜生!」
もう疲れた、もうやだ。というロヴィーノにアントーニョは苦笑する。
部屋の隅に置かれた椅子にぶすくれた表情で座ったロヴィーノは練習用と言われて
着せられたワインレッドのベアトップスタイルのドレスを着ていた。
胸元のギャザーの他は飾りの無いシンプルなドレスだが
ロヴィーノに良く似合っているとアントーニョは思う。
可愛くない顔をしていても可愛くて仕方が無い。
きっと目に入れても痛くない。
「ロヴィー、」
「ヴェー兄ちゃんかーわいー!」
「フェリシアーノ!?」
フェリシアーノは久しぶり~と荷物も投げ出してロヴィーノに縋りついた。
「やめろ、うぜぇ!」
「今日は早く来て正解だったかも~♪兄ちゃん凄く似合ってるよ」
離れろというロヴィーノに大人しく従うも、ロヴィーノの両手をぎゅっと握って
凄く綺麗、可愛いとはしゃぐフェリシアーノに、
段々どう返していいのか分からなくなって頬を赤くしたロヴィーノが
視線を逸らせて困ったように眉を下げた。
「フェリちゃん、久しぶりやんなぁ」
「あ、アントーニョ兄ちゃんチャオー!今日はお招き有難うであります!」
にこーっとお互い笑顔で挨拶を交わすも、
フェリシアーノはロヴィーノの手を離さない。
仲睦まじい兄弟はとても可愛らしいのだが、何だか面白くないのだ。
「それより、お前来るの随分早くねぇ?」
「ヴェー…だって、兄ちゃんに早く会いたかったんだもん」
だめ?としゅんとしたフェリシアーノは
捨てられた子犬のような瞳をロヴィーノに向けた。
「だめとは言ってねぇだろ…マッチョじゃがいもも一緒か?」
「ルート?ルートはねぇ、後から来るよー?俺だけ先に来たの」
兄ちゃんルートに会いたかったの?と聞くと
ちげーよ馬鹿!と物凄い剣幕で怒られた。
相変わらずルートのことはあまりお気に召さないらしい。
イイヤツなんだけどなーとフェリシアーノは内心苦笑した。
コンコンと控えめなノックの後先程のメイドが失礼しますと入ってきた。
「アントーニョ様、昼食の用意が出来ましたよ」
「え、あれ?もうそんな時間?んー、じゃあ休憩にしよか」
「やったぜ!お前は何か食ってきたか?」
ロヴィーノの問いにフェリシアーノは首を横に振った。
「どこにも寄らないで真っ直ぐ来たから、まだ食べてないんだー」
「じゃあ、お前も来いよ。昼食一人分今から追加してもらえるか?」
「そう言われるだろうと思って、既に用意してあります」
ふふ、と笑ったメイドに流石だとロヴィーノは笑みを返した。
彼女はエーデルシュタインの屋敷の別邸に居たときから
ロヴィーノと一番仲の良い馴染みのメイドだ。
今はロヴィーノの身の回りの世話を担当してもらっているのだと
以前聞いたことがある。
「じゃあ俺荷物置いてくるよ。前に泊まった時の部屋使っても大丈夫?」
「えぇよ。好きに使ったって」
「じゃあ俺も、着替えてくる」
「「え、なんで!?」」
ロヴィーノの言葉に二人同時に声を上げてしまった。
「なんでって…なんでメシ食う時までこんなもん着てなきゃいけねーんだよ」
「えぇやん、かわえぇやん!」
「そうだよ兄ちゃん!脱いじゃうの勿体無いよ!」
何でこんな時ばっかり意見合わせるんだ、この二人…
面倒くせぇとロヴィーノは眉間に皺を寄せた。
脱ぐなという二人を無視して振り切り、自室に戻った。
その背を残念そうに見送り、フェリシアーノは荷物を置きに行き、
アントーニョは先に昼食が用意されているテラスへと向かった。