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本気で間に合わない臭がぷんぷんしてきた…;;


※結婚詐欺師親分×カフェ店員ロマ
※親分がわりと黒分でゲスい
※過度のブラコンイタちゃん

+ + + + + + + + + +

「……ロマーノ」
責めているのかと思ったけれど、ロマーノの淀みのない綺麗なオリーブの瞳に
言いかけた言葉を飲み込み、湯気の立つコーヒーカップに口をつけた。
「…おいしい」
まるで故郷に帰って来たかのようなほっとする懐かしい味に静かにカップを置いた。
昔ロマーノが淹れてくれたコーヒーと同じ味だった。
変わらないそれはスペインの昂ぶった気持ちを静めてくれた。
「俺…、ロマのコーヒーまた飲めるとは思えへんかったわ」
「そうだな」
それきり黙ってコーヒーを飲み続けているとロマーノが少しの躊躇いの後口を開いた。
「…まだ女の子騙して金取ってんのか」
ギクリと強張った身体を誤魔化すように肩を竦ませおどけたように言った。
「…騙される方が悪いんや。好きとか愛してるだの言われただけで
その気になる単純なところは可愛いけどな」
「そりゃ言われて悪い気しねーからな。…相変わらず最低野郎だな」
最低、と詰る横顔は穏やかでどうしてそんな顔が出来るのか分からなかった。
「せやなぁ、俺もそう思うわ…ロマは――――――ロマは怒ってへんの?」
そういうとロマーノは思い切り眉を顰めた。
「はぁ?怒ってるに決まってんだろ」
「せ、せやな…」
一応怒ってはいるらしい。けど、という小さな呟きにロマーノの方に顔を向けると
口を噤んだロマーノにん?と首を傾げた。
「なんでもねぇ。それより、行くあてねぇなら暫く居てもいいぞ」
「えっ?えぇの…?ていうか、なんで?」
「嫌ならいいけどな。なんか追われてんだろ?市場から帰る途中で
何人か黒い服のヤツ見かけたぞ」
「ほんまに?はー…しつこいなぁ」
カウンターに顔を伏せると、ロマーノは傍らに来て俺の頭を撫ぜた。
「疲れてんだろ。二階の俺の部屋勝手に使っていいから休んでこいよ」
ロマーノの細くて長い指先が優しく撫ぜるその手付きが心地よくて
何故だか胸がぎゅっとなってじわりと何かが溢れそうになった。
(なんでロマはこんなに…優しいんやろ)
「つーか、早く上に避難した方がいいぞ」
「へ?」
がばっと顔を上げるとロマーノは淡々と口にした。
「そろそろ店開ける時間だし、そしたらもう直ぐ馬鹿弟が来る」
弟は昼時の忙しい時間帯だけ店を手伝っているというロマーノは
にやにやと笑いながら言った。
「アイツ、俺以上にお前のことすげー怒ってるから。
見つけたら絶対撃ち殺すっつって銃持ち歩いてるぞ」
アイツ本気で怒らせたらマジやべぇよとけらけら笑うロマーノに
スペインはわぁーお…と顔を青ざめさせるしかなかった。
あの兄ちゃん大好きなイタちゃんなら本気で殺る。
「だからアイツ居る時は店に顔出さない方がいいぞ」
「せ、せやな…ほな二階使わせてもらうわ」
鉢合わせて文字通り撃ち殺されるのだけは勘弁願いたい
スペインはそそくさと二階へと上がって行った。
その背中を見送りながらロマーノは小さく呟いた。
「怒ってる、ぞ…これでもな」

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花景
性別:
女性
自己紹介:
西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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