すんません、擬人化の新刊再録本の予定でしたけど変更します!←
今この設定に凄くハマってるのでこれ出したいとおもいます!すみません!
ネタは熱いうちに打て!と言いますからね…
再録本は8月にでも出せたらいいなと思います…
でも全然時間ないけど間に合うかな…どうかなって感じです;;
・詐欺師親分×カフェ店員ロマのパラレル
・親分がわりと黒分でゲスい
・パラレルだけど国名で書いてしまった
+ + + + + + + + + +
スペインは今全力で走っていた。
大通りから逸れて路地に入り、右に左に縦横無尽に駆けていく。
騙し取られた金を取り返そうと躍起になっている騙した女の父親が放った部下たちは
スペインのアパートを見つけ出し、金を持って逃げ出したスペインを今も追い立てている。
前日の最終便の電車で終着駅まで行き、そこから早朝の便でまた別の場所へと
逃亡しようとしていたのだが、それも計算の上だったのか駅には黒服の部下たちが
張り込んでいた。
その部下たちを撒くために街へと出て身を隠しながら落ち着ける場所を探していた。
路地を抜け通りへと出ると再び路地へ入った。流石に夜通しロクに休みも出来ずに
走り通しではいくら体力のあるスペインでもふらふらと覚束ない足取りになっていた。
(あかん…フラフラする…)
辺りに人気のないことを確認すると飲食店かなにかの店の裏にある大きめのゴミ箱の陰に
しゃがみ込み身を潜めた。
大きく息をついて乱れた呼吸を整えながら建物に身を預け空を仰ぎ見た。
夜明けから数時間は経ち、既に明るい太陽が世界を照らしていた。
(眩しいな…)
疲れきった身体には強すぎる光に目を閉じた。
世界を等しく照らす太陽だが自分の心の中はずっと晴れないままだ。
(何やっとるんやろ、俺…)
ふと虚無感に襲われて無意識に腰につけているウエストバックを撫でる。
その中には財布と騙し取った金を入れている銀行の通帳と判子
が入っている。携帯電話は女との連絡を絶つために先日解約して
まだ新しいものを買っていない。
(はぁ…しんど…)
額から流れてきた汗を拭うことすら面倒でだらりと四肢を投げ出していると
石畳にコツコツと足音が聞こえてきた。
反射的に身構え、耳を澄ませた。軽い足取りの靴音に追っ手ではなさそうだと
判断するも、油断は出来ない。この辺りの住人であっても
見慣れぬ男が息を潜めていたら不審に思うだろう。
もし万が一叫び声でも上げられれば追っ手に気付かれるだろう。
いつでも逃げ出せる体制を瞬時に整え、そっとゴミ箱の影から様子を窺う。
ブーツの足先から見てやはり追っ手ではなくこの辺りの住人のようだ。
しかしこのままここにいては見つかってしまう。
だったらいっそ上手いこと言って暫く身を隠す場所を提供してもらうか。
人を騙すことなどもう慣れてしまったスペインは
そう考えて近づいてきた足音の前に姿を現した。
「うわっ」
いきなり飛び出してきたスペインに靴音の主は驚いた声を上げた。
ビックリした拍子に紙袋から零れたオレンジがひとつころりと地面に落ちて転がった。
しかし驚いたのはスペインも同じだった。
互いにお互いの姿を確認して思考も行動も完全に停止した。
靴音の主である大きな紙袋を抱えた男はさらさらとしたチョコレート色の髪に
特徴的なくるんとした癖毛があり、見目の大変美しい青年であった。
驚きで見開いた瞳は綺麗なオリーブ色ですらりとした体躯に
白いシャツに黒のパンツといった何の変哲もない格好が洒落て見えた。
見覚えのあるその人物像にスペインはだらだらと冷や汗を流した。
(万事休す…?!嘘やん、なんで…!?)
なんでこんなところでという予期せぬ出来事にスペインは混乱していた。
そんなスペインとは裏腹に目の前の美しい青年は目を細め口角を上げた。
「よぉ、久しぶりじゃねー?」
「えっあっうん?久しぶりぃ…?」
「つか、いきなり飛び出してくるからビビってオレンジ落としたじゃねーか!
お前のせいだからな!」
「え?あ?ごっごめん…??」
拾えよという声に転がっていたオレンジを拾い上げると
青年…ロマーノは紙袋を抱えなおして片手でポケットを探り、鍵を取り出すと
スペインへと振り返った。
「まぁ折角こんなところで会ったんだし、寄っていけよ。ここ俺の店」
ドアを開けるとロマーノはスペインを招き入れた。
大通りから逸れて路地に入り、右に左に縦横無尽に駆けていく。
騙し取られた金を取り返そうと躍起になっている騙した女の父親が放った部下たちは
スペインのアパートを見つけ出し、金を持って逃げ出したスペインを今も追い立てている。
前日の最終便の電車で終着駅まで行き、そこから早朝の便でまた別の場所へと
逃亡しようとしていたのだが、それも計算の上だったのか駅には黒服の部下たちが
張り込んでいた。
その部下たちを撒くために街へと出て身を隠しながら落ち着ける場所を探していた。
路地を抜け通りへと出ると再び路地へ入った。流石に夜通しロクに休みも出来ずに
走り通しではいくら体力のあるスペインでもふらふらと覚束ない足取りになっていた。
(あかん…フラフラする…)
辺りに人気のないことを確認すると飲食店かなにかの店の裏にある大きめのゴミ箱の陰に
しゃがみ込み身を潜めた。
大きく息をついて乱れた呼吸を整えながら建物に身を預け空を仰ぎ見た。
夜明けから数時間は経ち、既に明るい太陽が世界を照らしていた。
(眩しいな…)
疲れきった身体には強すぎる光に目を閉じた。
世界を等しく照らす太陽だが自分の心の中はずっと晴れないままだ。
(何やっとるんやろ、俺…)
ふと虚無感に襲われて無意識に腰につけているウエストバックを撫でる。
その中には財布と騙し取った金を入れている銀行の通帳と判子
が入っている。携帯電話は女との連絡を絶つために先日解約して
まだ新しいものを買っていない。
(はぁ…しんど…)
額から流れてきた汗を拭うことすら面倒でだらりと四肢を投げ出していると
石畳にコツコツと足音が聞こえてきた。
反射的に身構え、耳を澄ませた。軽い足取りの靴音に追っ手ではなさそうだと
判断するも、油断は出来ない。この辺りの住人であっても
見慣れぬ男が息を潜めていたら不審に思うだろう。
もし万が一叫び声でも上げられれば追っ手に気付かれるだろう。
いつでも逃げ出せる体制を瞬時に整え、そっとゴミ箱の影から様子を窺う。
ブーツの足先から見てやはり追っ手ではなくこの辺りの住人のようだ。
しかしこのままここにいては見つかってしまう。
だったらいっそ上手いこと言って暫く身を隠す場所を提供してもらうか。
人を騙すことなどもう慣れてしまったスペインは
そう考えて近づいてきた足音の前に姿を現した。
「うわっ」
いきなり飛び出してきたスペインに靴音の主は驚いた声を上げた。
ビックリした拍子に紙袋から零れたオレンジがひとつころりと地面に落ちて転がった。
しかし驚いたのはスペインも同じだった。
互いにお互いの姿を確認して思考も行動も完全に停止した。
靴音の主である大きな紙袋を抱えた男はさらさらとしたチョコレート色の髪に
特徴的なくるんとした癖毛があり、見目の大変美しい青年であった。
驚きで見開いた瞳は綺麗なオリーブ色ですらりとした体躯に
白いシャツに黒のパンツといった何の変哲もない格好が洒落て見えた。
見覚えのあるその人物像にスペインはだらだらと冷や汗を流した。
(万事休す…?!嘘やん、なんで…!?)
なんでこんなところでという予期せぬ出来事にスペインは混乱していた。
そんなスペインとは裏腹に目の前の美しい青年は目を細め口角を上げた。
「よぉ、久しぶりじゃねー?」
「えっあっうん?久しぶりぃ…?」
「つか、いきなり飛び出してくるからビビってオレンジ落としたじゃねーか!
お前のせいだからな!」
「え?あ?ごっごめん…??」
拾えよという声に転がっていたオレンジを拾い上げると
青年…ロマーノは紙袋を抱えなおして片手でポケットを探り、鍵を取り出すと
スペインへと振り返った。
「まぁ折角こんなところで会ったんだし、寄っていけよ。ここ俺の店」
ドアを開けるとロマーノはスペインを招き入れた。
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西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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