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あばばばばば…まっ間に合え…いや間に合うまだだいじょーぶ!!


※結婚詐欺師親分×カフェ店員ロマ
※国名表記
※親分がわりと黒分でゲスい
※過度のブラコンイタちゃん
※お金の単位は分かりやすく円使用

+ + + + + + + + + +
「俺は別に金のことはもういい。馬鹿弟がそこそこ稼いでるし、
元々食いっぱぐれない程度にあればいいんだし」
「あぁ、イタちゃん頑張っとるよなぁ」
今一番注目されている画家だし、世界的に有名な芸術家の祖父に
負けず劣らずの素晴らしい才能の持ち主だと
何かの記事かテレビでどこかの評論家が絶賛していたっけと頭の隅で思い出す。
「ただ、じじいにはちょっと申し訳ねぇとは思ってる。
でもお前が金が必要だってんなら、好きにすればいい」
好きにすればいいなんて随分太っ腹だ。
騙し取った数百万は確かにあの偉大なじいさんの遺産だが、
それもほんの一部でしかない金額だろう。
しかしもっと寄越せと言われたらどうするつもりなんだろう。
「ロマはアホやなぁ。もし俺が金寄越せってナイフ持って脅してきたらどうするん?」
「アホってなんだこの野郎!…脅すつもりなら最初からそうするだろ。
でもお前は根っからの悪人じゃなさそうだし、
なんかそうしなきゃいけねぇ理由があるんだろ?」
「なんで…――――――なんでそう思うん?」
「だってお前…騙し取った金、全然手つけてないんだろ?」
悪いけどお前が寝てる間にバッグの中の通帳みたとロマーノは言った。
「外見飾るのに使ってるわけでもなさそうだし、
ギャンブルに使ってるわけでもない、借金の返済とか誰かに渡しているわけでもない。
人を騙すのが快感なんていう変態でもなさそうだしな…
そんなに金を溜めて欲しいものでもあるのか。
もしくは、金じゃなくてもっと別な目的があるんじゃないか…って考えた。違うのか?」
ロマーノは意外に鋭い。捻くれているようでいて実は根は真っ直ぐだし、
人のことをよく見ている。
(何でロマーノには分かるんかなぁ)
今まで金を騙し取られたヤツで金が目的ではないと気付いた子は
ただの一人もいなかったというのに。
「――――――甘いなぁロマは。年取ってえぇ介護施設入って
美人の介護士さんに囲まれて老後暮らすためやったらどうするん?」
「何!?いいな、それ!お前だけずりぃぞ!俺も今から積み立てておくか…」
ベッラと聞いて目の色を変えたロマーノが何だかおかしくて自然に笑みが零れた。
何だろうこの食いつき。ほんまにロマは女の子大好きやなぁ。

「ロマは…もしも恋人がおって、その子が自分よりも金も地位もあるヤツに
プロポーズされてあっさり自分捨ててそいつに走ったらどうする?」
スペインの声にロマーノは顔を向けた。
きょとんとした瞳ににこりと笑って見せる。
(さぁ、どんな答えが返ってくるかな?)
スペインはこのロマーノが一体どんな答えを返すか気になった。
ロマーノはワインを一口飲むと今更だなと言った。
「ソレ、自分よりも金も地位も名声もある…要するに馬鹿弟みたいなヤツってことだろ?
どうもしねーよ。あぁやっぱりって思うだけだ」
目を伏せそう口にするロマーノに、スペインはしまったと思った。
そうだ。ロマーノはそういう子であった。
内心慌てるスペインを尻目にロマーノはグラスの淵を指先でなぞった。
「そもそも、昔から俺はアイツと比べられてたんだ。…もう慣れた。
皆そうだ。誰だってどこにでもある石ころより綺麗な宝石を欲しがる。
…そういうことだろ」
いつだって自分は選ばれないのだ、とロマーノは淡々と口にした。

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花景
性別:
女性
自己紹介:
西ロマ早く結婚しろ!が口癖。現在APHにドップリ嵌っています。ロマーノは俺の嫁。
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